高血圧と脳の病気の深い関係
~脳を守るために、血圧管理がもっとも重要です~
高血圧と脳疾患の関連性について
高血圧は、自覚症状の少ないまま血管に大きなダメージを与えます。
脳は細かい血管が集まる非常にデリケートな臓器。
血圧が高い状態が続くと、脳卒中や認知症など、深刻な病気のリスクが高まります。
脳出血のリスクは約3倍に上昇
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」および複数の疫学研究において、高血圧は脳出血の発症リスクを約3倍に高めることが示されています。
高い血圧により、脳内の細小血管が絶えず圧力を受け、ある時突然破裂することが脳出血の原因です。
また、収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」)を10mmHg下げることで、脳卒中全体のリスクが約40%低下するという報告もあります。
脳梗塞予防にも有効
高血圧は動脈硬化を進行させ、血管が狭くなったり詰まったりする原因となります。これが「脳梗塞」の主な原因です。
「PROGRESS試験(Lancet, 2001)」では、過去に脳卒中を経験した患者に対して降圧治療を行った結果、脳卒中の再発率が28%、脳出血に限ると50%低下したという結果が報告されています。
認知症の予防効果にも注目
高血圧は、脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症にも関与するとされています。
「SPRINT MINDサブスタディ(JAMA, 2019)」において、収縮期血圧を120mmHg未満に管理したグループでは、軽度認知障害(MCI)の発症が19%減少したとの結果が示されています。
日本高血圧学会のガイドライン(JSH2019)でも、降圧治療が認知機能の保持に有効であることが明記されています。
家庭での血圧測定の重要性
高血圧は無症状であることが多いため、定期的な血圧測定によって早期発見・管理することが重要です。
日本高血圧学会では、家庭での血圧測定を推奨しています。
家庭血圧の測定ポイント
- 朝の測定:起床後1時間以内、排尿後、朝食前、服薬前に、安静にしてから測定
- 夜の測定:入浴後など落ち着いた状態で測定
目標値は、家庭血圧で135/85 mmHg未満とされています。
当院における高血圧管理と脳疾患予防
ねりま脳神経外科では、高血圧と脳卒中の関連性に着目し、以下のような取り組みを行っております。
- 専門医による脳卒中リスク評価
- 最新MRIによる早期診断とスクリーニング
- 高血圧に対する生活指導・薬物治療
血圧が高めの方、ご家族に脳卒中の既往がある方などは、ぜひ一度ご相談ください。
脳を守る第一歩は、血圧管理から
日常的な血圧の確認と適切な管理は、将来の重篤な脳疾患を防ぐための重要な手段です。
ねりま脳神経外科では、地域の皆さまの健康を守るため、高血圧を含む脳疾患予防に取り組んでおります。
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