頭痛の種類とその特徴
よく起こる症状でありながら正しい診断が難しい頭痛。
命には関わらないけれど辛く生活に影響のある頭痛、診断が遅れると命に関わる頭痛などさまざまです。
市販薬で凌いでいる方、難治性片頭痛や鎮痛剤が効かない頭痛などでお困りの方など、共に診療をすすめより安心できる生活を目指しましょう。
頭痛は目に見えない辛い症状です。仕事や趣味など日常生活に大きな影響を及ぼします。
頭痛があると集中できなかったり気持ち悪くなったり、イライラしたりと周囲から理解されずに悩まれている方も多い症状であり病気です。
日本人の約40%が頭痛持ちだと言われています。
頭痛の原因は様々で、命に関わる危険な病気からそうでないものまであり「国際頭痛分類」では実に233種類にも分類されています。
皆さまが頭痛を経験した時にはまず心配な頭痛でないかどうかを見極めるのが大切です。
そのためにも頭痛持ちでこれまで受診をしたことがない方や、これまでと違う頭痛の場合には一度受診することをお勧めします。
頭痛の種類とその特徴
まず大きな分類として一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。
一次性頭痛は頭の中に頭痛の原因となる病気がないもの(この表現はあまり正しくないですが)、二次性頭痛は頭の中に痛みの原因となる病気がある場合の頭痛のことを指します。
一次性頭痛とは?日常に潜む慢性的な痛み
一次性頭痛とは、MRIやCTといった検査で明確な異常が見つからないタイプの頭痛です。「頭の中の病気によって引き起こされた頭痛ではない頭痛」とも言えます。
生活習慣やストレス、体質などが関与しているとされ、慢性的に悩まされる方が多く見られます。
代表的なものに片頭痛、緊張型頭痛、TACS(群発頭痛など)などがあります。
ただしこれ以外にも60種類の一次性頭痛があります。
一次性頭痛の中の頻度からすると緊張型頭痛が最も多く22%、ついで片頭痛で8.4%です。
これらの頭痛はMRIやCTでは原因となる異常は写りませんので、問診と診察で診断していきます。
生活への支障が大きく、繰り返し起こるため、原因や対処法を理解することが重要です。
※片頭痛、緊張型頭痛、TACs(群発頭痛など)の詳しい内容はそれぞれの詳細ページをご参照ください。
二次性頭痛とは?見逃せない重大な疾患のサイン
脳出血・くも膜下出血などの危険性
二次性頭痛は、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血、もやもや秒、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎といった、脳の疾患が原因で起こる頭痛です。
これらの病気は頭痛のほかに手足の麻痺や痺れ、言葉の出づらさや熱などといった症状が伴うことが多いですが、やはり一番多い症状は頭痛です。
これらの病気かどうかを調べるためには画像検査、血液検査や髄液検査が必要になります。
特に、突然発症した強い頭痛や、今までにないタイプの痛みは、すぐに医療機関で検査を受けることが推奨されます。
まずは二次性頭痛を否定するためにCTやMRI検査を受けられることが勧められます。
診断方法は?頭痛専門医が行うプロセス
脳神経の診察や身体所見などとも合わせて頭痛の診断を行なっていきます。
初回に診断がつかないこともあり、ある程度絞った上で治療を開始していきます。そして治療効果を見ながら診断がついていくことも多くあります。
例えば皆さんもご存知の片頭痛。
『病名に片側の「片」が入っているので両側が痛む時は片頭痛じゃないんじゃないか』とか、『私の頭痛はいつも片側だから片頭痛に違いない』と自己診断している場合があります。
もちろん、片頭痛で間違いないことも多いのですが中にはそうでない場合もあります。
実は片頭痛の40%は両側が痛くなることが知られていて、「両側が痛いから片頭痛でない」ということは言えないのです。
また「片側が痛くなるから片頭痛」というのもあっている場合もあるし、違うこともあります。診断が違えば治療法も異なりますのでやはり頭痛専門医に一度診てもらうのが良いでしょう。
頭痛の原因には普段の姿勢や肩こりを含めた生活習慣が関連していることがあります。これらの頭痛を軽減するためのストレッチや体操、温めた方が良いか冷やした方が良いかなどについても頭痛のタイプによって異なります。
痛みの性質、部位、頻度を整理
診察では、まず詳しい問診を行います。
どこがどのように痛むのか、いつから痛いのか、どのくらいの頻度で起こるかなどの情報が、診断の大きなヒントになります。
前兆や悪化因子からわかる頭痛の種類
頭痛の前に光がチカチカ見える、吐き気がある、特定の時間帯に起こるなどの情報も重要です。
また、寝不足やストレス、天候の変化などによって悪化するかどうかも診断の助けになります。
【問診内容】
- 頭痛の性状(どんな痛みか)
- 痛む場所
- 持続時間
- 頭痛の頻度
- 日内変動(起こりやすい時間帯)
- 随伴症状(頭痛とともに現れる症状)
- 前兆や予兆
- 増悪・軽快因子
- 既往歴
- 服薬歴
- 家族歴
- 生活習慣(睡眠状況・ストレス具合)
- 食事内容
- 嗜好品(タバコ・飲酒など)
頭痛の治療とセルフケア
お薬での治療:状況に応じた選択肢
内服薬、漢方薬、点滴・注射の使い分け
頭痛の治療は、症状の程度やタイプに応じて選択されます。
一般的には内服の鎮痛薬が使用されますが、吐き気を伴う場合は点滴や注射による対応が必要なこともあります。
また、漢方薬を用いた治療も体質に合わせて効果を発揮します。
セルフケアと生活習慣改善で予防しよう
姿勢改善やストレッチのすすめ
特にデスクワークが多い方では、肩こりや首のこわばりが頭痛の原因となることがあります。
適度な運動や、正しい姿勢を意識すること、こまめなストレッチを行うことが、頭痛の予防に効果的です。
「この頭痛、いつもと違う?」危険なサインに注意
早期受診が必要な症状とは
頭痛の種類や原因によっては、時間との勝負になる場合もあります。
特に、急に始まった激しい頭痛や、いつもと違うタイプの頭痛が現れた場合は、放置せずに早めの受診が重要です。
安心して受診するために当院でできること
当院では、問診や診察だけでなく、必要に応じてCT・MRIなどの画像検査、血液検査も行い、正確な診断を心がけています。
市販薬で改善しない頭痛、長引く頭痛がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
頭痛外来に関するよくあるご質問
どんな頭痛で受診すればいいですか?
繰り返す片頭痛や緊張型頭痛、市販薬が効かない頭痛、突然の激しい痛み、
これまでと異なる性質の頭痛などは、医療機関での受診をおすすめします。
頭痛だけでもCTやMRI検査をしてもらえますか?
はい。症状や問診の内容に応じて、医師の判断のもとCT・MRI検査を行います。
特に「命に関わる頭痛」が疑われる場合には、画像検査が重要になります。
他院で「異常なし」と言われましたが、頭痛が続いています。
セカンドオピニオンとしての受診も可能です。
痛みが続く場合や現在の治療に不安がある場合も、お気軽にご相談ください。
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