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CT検査とは

この記事でわかること

・ CT検査の基本知識と検査の流れ
・ 放射線被ばくの実際のリスクと安全性
・ 小児・乳幼児への配慮と低線量設定
・ 検査前の準備と注意事項
・ 当日の検査結果説明について

CT検査とは

CT検査の仕組み

CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)は、X線を使って体の断面を撮影する検査です。大きな筒状の装置に入り、体の周りからX線を照射することで、体の内部を輪切りにした画像を作成します。

当院では頭部外傷後の脳出血・骨折の精査や、MRI検査をできない患者様の脳梗塞、脳腫瘍などの精査のためにCT検査を実施しています。造影検査は実施しておりません。

急性期の脳神経疾患の診断に最適な検査として広く活用されています。

頭部MRIと頭部CTの違い

項目 CT検査 MRI検査
検査時間 約5分 10~15分
音の大きさ 静か 工事現場のような大音量
得意な診断 出血・骨折 脳梗塞・脳腫瘍・動脈瘤の詳細
閉所感 少ない やや強い
ペースメーカー 部位により可能 原則NG

 

当院のCT装置について

当院ではCanon製「Lightning Aquilion」という16列のマルチスライスCT装置を導入しています。

5つの特長

  1. 短時間撮影:入室から退室まで約3~5分で検査完了
  2. 被ばく線量の最適化:患者様の体格に合わせて自動調整
  3. 小児専用低線量設定:乳幼児/小児の安全性を最優先
  4. 高画質:微細な病変も見逃しません
  5. 結果説明:脳神経外科医が撮影した画像について説明します(頭部CT)

(実際の装置)

 

検査の流れ【初めての方へ】

  1. 撮影台に横になる:仰向けで寝た状態で撮影します
  2. 装置の中を移動:自動で少しずつ動きます(痛みはありません)
  3. 機械の音声指示に従う:「息を止めてください」「動かないでください」など
  4. 撮影終了
  5. 頭部CTの場合は当日説明(その他の部位に関しては読影を依頼するため、当日の結果説明ができません)

緊急性が高い所見がある場合は、即座に対応いたします。

 

注意事項

妊娠中の方、妊娠の可能性のある方は検査はできません

〇ペースメーカーを使用している方の胸部CT検査は事前にお問い合わせください。当院では検査実施出来ない可能性がありますのでご協力お願いいたします。事前に医師又は放射線技師に申し出てください。

〇検査前に撮影範囲の金属類は取り外していただきます。

 

放射線被ばくについて

当院では、日本における診断参考レベル(DRL2020)に基づいて検査を実施しています。

実際の被ばく量を比較

検査・状況 被ばく線量
頭部CT検査(当院) 2.0~5.5 mSv
頭部レントゲン検査(当院) 0.1 mSv
食べ物 0.99 mSv/1年間
東京〜NY飛行機往復 0.11~0.16 mSv
年間自然放射線 2.1 mSv

※年間自然放射線量(日本平均):約2.1 mSv

被ばくについてよくある疑問

少量の放射線について:少量の放射線では、細胞の遺伝子が傷ついてもすぐに修復されるため、健康への影響はほとんどありません。

大量の基準について:大量の基準とされる被ばく線量は100ミリシーベルト(mSv)以上です。当院で行う頭部CT検査の被ばく線量は2.0~5.5mSv程度と、この基準を大きく下回っています。

日常生活での被ばく:私たちは日常生活の中でも1年間で平均約2.1mSvの放射線を自然に浴びています。宇宙や大地、食べ物からの被ばくです。

がんのリスクについて 放射線が原因でがんになるリスクは、100mSv被ばくした成人の場合で1.08倍です。これは、たばこ(1.6倍)や肥満(1.22倍)、食事習慣(1.15倍)が引き起こすリスクよりも低い値です。

100mSvよりも低いCTやレントゲンの放射線量では、リスクの計算ができないとされています。

当院の安全管理体制

  1. 検査の正当性の確認
    • 医師が診療上の必要性を判断した上で検査を行います
  2. 線量の最適化
    • 患者様の体格や撮影部位に応じてX線量を自動調整します
    • 診断に必要な最小限の線量で撮影します
  3. 個人線量管理
    • すべての検査について被ばく線量を記録・管理しております

 

小児・乳幼児の検査【保護者の方へ】

乳幼児・小児の放射線検査についての当院の取り組み

脳は神経の集まりであるため、放射線の影響が最も低いと考えられています。

しかし、放射線の影響が大きい乳幼児・小児ではリスクをできる限り低く抑えることが重要です。

当院の取り組み
  1. 低線量設定の実施
    • 乳幼児や小児に特化した低線量設定を使用
    • 放射線の影響を最小限に抑える取り組みを行っています
  2. 防護対策の実施
    • 睾丸や卵巣といった影響を受けやすい部位は、プロテクターで保護
    • 安全性を最優先に検査を実施

💡 お子さまの安全を第一に考え、必要最小限の被ばくで画像を撮影します。

小児CT検査が必要な主な症状

  • 頭を強く打った(転落、交通事故など)
  • 長時間のMRI検査が実施できず、医師が画像検査を必要とした場合

 

よくあるご質問【Q&A】

CT検査の放射線は安全ですか?

医学的に必要な検査であれば、診断による利益がリスクを上回ると考えられます。

検査の必要性が被ばくのリスクを上回ると考えられる場合のみ検査を行います。放射線が心配な場合は、担当医師とよく相談し、納得した上で検査を受けてください。

1年間に何回までCT検査を受けられますか?

医学的に正当化されていれば、受検に回数制限はありません。

ただし、医師が必要性を判断した上で検査を実施いたします

ペースメーカーを埋め込んでいますが大丈夫ですか?

撮影部位によっては誤作動を起こす恐れがあります。

  • 頭部CTなど、ペースメーカーから離れた部位の検査は問題ないことが多いです
  • 検査前に必ず医師または技師にお申し出ください

検査前に食事制限は必要ですか?

頭部CTであれば、食事制限は不要です。
検査後についても特に制限はありません。

CT検査の費用はどれくらいですか?

3割負担で7,000~8,000円程です。
※ 診察料や血液検査費用は別途かかります
※ 保険適用の有無や初診・再診により金額は変動します

 

診療放射線技師からのメッセージ

当院の診療放射線技師は、患者様に安心して検査を受けていただくことを最優先に考えています。

検査について不安なこと、わからないことがあれば、遠慮なくお聞きください。丁寧にご説明いたします。

 

当院が準拠する医学的ガイドライン

当院では、以下の公的機関のガイドラインに基づいて、診療用放射線の安全管理を実施しています

 

  • 厚生労働省:「診療用放射線の安全利用のための研修」
  • 日本放射線学会:診断参考レベル(DRL)2020版
  • 日本医学放射線学会:医療被ばくガイドライン
  • 国際放射線防護委員会(ICRP):被ばく線量基準

 

 

まとめ|CT検査を受ける前に知っておきたいこと

CT検査は短時間(約5分)で高精度な診断が可能
放射線被ばくは日常の自然放射線と同程度で安全
頭部CTは当日中に結果説明が受けられる
小児専用の低線量設定で安全性を最優先
ペースメーカー使用中でも、部位により検査可能
造影剤は使用しないため、アレルギーの心配なし

 

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最終更新日:2025年10月24日
監修:ねりま脳神経外科 診療放射線技師長
参考文献:厚生労働省、日本医学放射線学会、日本小児放射線学会、国際放射線防護委員会(ICRP)

 

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