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今より少しだけ詳しくなるもの忘れのこと

[2026.04.04]

3月の院内研修の企画は、「今より少しだけ詳しくなるもの忘れのこと」がテーマでした。

認知症の基本的な知識を楽しみながら学び、それだけでなく、私たちが日々どのような視点で患者様と関わっていくべきかをスタッフみんなで考える時間となりました。

今回のコラムでは、企画・実施を担当した看護師長Tが、この企画の様子とそこに込めた想いをお届けします。

研修の目的

今回の研修には、大きく3つの目的がありました。

1つ目は、「スタッフが安心して対応できること」です。

当院のスタッフは、日頃からご高齢の方や認知症の患者様、そのご家族様に対して、丁寧で温かい対応を心がけています。

しかし、言葉でのコミュニケーションが難しい方や、感情のコントロールが難しく不安定になりやすい方と接する際、戸惑いや不安を感じることもあります。

認知症について少し理解を深めることで、そうした不安を軽減し、自信をもって関われるようになることを目指しました。

2つ目は、「患者様・ご家族様が安心できること」です。

スタッフ一人ひとりが正しい知識を持つことで、患者様やご家族様にとって「ここに来れば安心できる」と感じていただける環境づくりにつながります。

3つ目は、「私たちにできる関わり方を考えること」です。

認知症で悩むご本人様でもご家族様でもない、第三者であり医療従事者である私たちだからこそできるサポートとは何かを、スタッフ全員で考えることを大切にしました。

研修内容の一部をご紹介

研修ではまず、「認知症とは何か」という基本から確認しました。

認知症は、脳の変化によって認知機能が低下し、その結果、日常生活に支障が出ている状態を指します。

「脳の変化」「認知機能の障害」「生活への影響」という3つがそろうことで診断されます。

また、その一歩手前の状態であるMCI(軽度認知障害)についても取り上げました。

当院にはMCIと診断される患者様が多くいらっしゃいます。

MCIは、もの忘れなどの症状はあるものの、日常生活には大きな支障がない段階です。

この段階で気づき、適切に関わることがとても重要です。

さらに、認知症の原因となるアルツハイマー型認知症などの代表的な病気は、脳で何が起きているのか、さらに認知症と似た症状が出るが治療によって改善が期待できる病気(正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、内科的疾患など)についても学びました。

当院で行っている採血やMRI検査は、「原因を見極めるため」「見逃してはいけない病気を確認するため」に重要な役割を担っていることを改めて共有しました。

スタッフ参加型の工夫

今回の研修では、ただ知識を学ぶだけでなく、スタッフ同士が楽しく参加できるよう、早押しのクイズ形式も取り入れました。

「記憶障害とはどんな症状か?」「実行機能障害とは?」といった内容を、チーム対抗で回答し合い、スタッフみんな全力で臨み、和やかな雰囲気に包まれました。

院長はもちろん知識があるので、正解・不正解を判断する審判役で参加です。

また、日常生活動作(ADL)についてもクイズ形式で学び、

「どのような状態を生活に支障があると判断するのか」
「支障の出ている生活動作によって症状の進行具合を判断していく」

といった視点を、スタッフ全員で確認しました。

関わり方を大切に

後半では、認知症の方とのコミュニケーション方法として「ユマニチュード」という考え方を紹介しました。
「見る・話す・触れる」といった基本的な関わりを丁寧に行うことで、耳が聞こえにくかったり、言葉の理解や表現が苦手になっていく認知症の方へも、「あなたは大切な存在です」というメッセージを伝えることができます。

加えて、実際の現場では、お一人おひとりの反応や感じ方が異なるため、私たちが相手をよく見て感じながら、その方に合わせた関わり方を選択することが何より大切です。

これから私たちにできること

研修の最後には、「当院で私たちにできること」をテーマにチームで話し合いました。

・患者様のペースを大切にする
・不安な気持ちに寄り添う
・ご家族様の負担にも目を向ける
・必要な情報や制度(介護保険など)を分かりやすく伝える

といった意見が共有され、スタッフ全員で同じ方向を向くことができたと感じています。

私たちは、患者様ご本人でもご家族様でもない「第三者」ですが、医療従事者として関わるからこそできる役割があります。
人生の大先輩であるご高齢の患者様への敬意と、思いやりを大切にしながら、そこに専門的な視点を加えたサポートを行っていきたいと考えています。

さいごに

今回の研修を通して、スタッフ一人ひとりが認知症への理解を深めるとともに、「どのように関わるか」を改めて考える貴重な機会となりました。

当院では、もの忘れに関するご相談に対して、検査や診断だけでなく、その後の生活も見据えたサポートを大切にしています。

「少し気になる」「相談していいのか迷っている」といった段階でも全然構いません。

どうぞお気軽にご相談ください。

今後も、患者様とご家族様が安心して過ごせるよう、スタッフ一同努めてまいります。

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