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認知症と「もの忘れ」はどう違う?

[2026.02.26]

年齢を重ねると、

「最近もの忘れが増えた気がする」

「これって認知症でしょうか?」

と不安になる方が少なくありません。

ご家族様から「同じことを何度も聞くようになった」とご相談を受けるケースも多いです。

ですが、すべての“もの忘れ”が認知症というわけではありません。

今回は、加齢による自然なもの忘れと認知症の違いについて、わかりやすくお伝えします。

加齢によるもの忘れとは

年齢とともに記憶力がゆるやかに低下することは、誰にでも起こります。

顔にシワができたり、体力や筋力が落ちるのと同じです。これは脳の老化現象のひとつであり、病気ではありません。

たとえば、

・人の名前がすぐに出てこない
・物をどこに置いたか忘れることがある
・約束をうっかり忘れるが、後から思い出せる

このような場合は、「体験の一部を忘れている」状態です。

ヒントがあれば思い出せることが多く、日常生活に大きな支障はありません。

また、「最近忘れっぽいな…」とご本人が自覚していることも特徴です。

認知症のもの忘れとは

一方、認知症は脳の病気により記憶や判断力などが低下し、日常生活に支障が出てくる状態をいいます。

代表的なものに、アルツハイマー型認知症があります。

アルツハイマー型認知症になるまでに•••脳の中で何が起きているの?

私たちの脳には、何百億個もの神経細胞(ニューロン)があり、電気信号や化学物質を使って情報をやりとりしています。
記憶も、この神経細胞同士のネットワークによって保たれています。

アルツハイマー型認知症では、主に次の2つの異常が起こると考えられています。

アミロイドβの蓄積

脳の中に「アミロイドβ」というたんぱく質がたまり、老人斑(ろうじんはん)と呼ばれるかたまりを作ります。
これが神経細胞の周囲にたまることで、細胞同士の情報伝達がうまくいかなくなります。

タウたんぱくの異常

神経細胞の中では「タウたんぱく」という物質が異常に変化し、神経原線維変化という状態をつくります。
これによって細胞の骨組みが壊れ、最終的に神経細胞が死んでしまいます。

つまり、

1.たんぱく質の異常が起きる

2.神経細胞同士の連絡がうまくいかなくなる

3.神経細胞が減っていく

4.脳が萎縮していく

という流れで、ゆっくりと進行していくのです。

アルツハイマー型認知症では、脳の中でも特に海馬(かいば)という部分から影響を受けやすいことが知られています。

海馬は、新しい記憶を保存する“入り口”のような役割をしています。
そのため、

・体験そのものを忘れてしまう
・何度も同じことを初めてのように話す
・約束自体をしたことを覚えていない
・ヒントがあっても思い出せない

といった症状が初期にみられやすいのです。

神経細胞の変化が海馬だけでなく、大脳全体へ広がっていくことで、

・時間や場所がわからなくなる

・慣れている道で迷う

・金銭管理が難しくなる

など、生活への影響がみられることもあります。

ご本人は忘れている自覚が乏しいことも少なくありません

見分けるポイント

加齢によるもの忘れと認知症の違いを、簡単にまとめると次のようになります。

【加齢によるもの忘れ】
・体験の一部を忘れる
・ヒントがあれば思い出せる
・日常生活に大きな支障はない
・本人に自覚がある

【認知症】
・体験そのものを忘れる
・ヒントがあっても思い出せない
・日常生活に支障がある
・本人の自覚が乏しい

ただし、初期の段階では判断が難しいこともあります。

「少しおかしいかも?」と感じたら、早めに相談することが大切です。

早めの受診が安心につながる理由

認知症は「治らない病気」というイメージを持たれがちですが、進行をゆるやかにする治療や、症状を和らげる方法があります。

また、認知症と似た症状を示す治すことの出来る病気(甲状腺の異常、慢性硬膜下血腫、うつ病など)が隠れている場合もあります。

当院では、問診や認知機能検査、採血、MRIなどの画像検査を行い、原因を調べます。

「ただの加齢によるもの忘れでした」とわかるだけでも、安心につながることもあります。

認知症であったとしても、早期に気づくことで、生活環境を整えたり、ご家族と話し合う時間を持つことができます。

ご本人の尊厳を守りながら、その人らしい生活を続けるためにも、早めの相談はとても大切です。

ご家族様にできること

ご家族様が「もしかして」と感じたとき、心配や不安もあり、つい強く指摘してしまうことがあります。しかし、ご本人も不安を抱えている場合があります。

・否定せず、まずは話を聞く
・できていることに目を向ける
・困りごとを一緒に整理していく

こうした関わりがご本人の安心感につながります。

受診を勧める際は、「心配だから一緒に検査を受けてみよう」「年齢的な変化か確認してみよう」といった前向きなお声かけがおすすめです。

また、ご家族様が安心してご本人のそばにいられることも大切です。私たちはもちろん、地域の福祉スタッフやサービスも活用していただき、ぜひ相談していただきたいです。

看護師/認知症ケア専門士.T

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