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無症状の動脈硬化を防ぐ重要性

[2025.08.04]

臨床検査技師として、日々多くの方の頚動脈エコー検査を担当する中で、早期発見がいかに重要かを痛感しています。症状が現れてからでは、すでに病気が進行している可能性があるからです。

「健康診断を毎年受けているし、特に気になる症状もないから大丈夫」

──そう思っている方も多いかもしれません。ですが、実は脳の病気の中には、まったく症状がないまま進行してしまうものもあります。

その代表が「頚動脈の動脈硬化」です。

なぜ早期発見が重要なのか

動脈硬化は「沈黙の病気」と呼ばれます。血管の変化が始まってから症状が現れるまでには、通常数年から数十年という長い時間がかかります。この無症状の期間こそが、対策を講じる貴重な時間なのです。

症状が出る前と出た後の違い

症状が出る前(早期発見の段階)では

  • 生活習慣の改善だけで進行を止められる可能性がある
  • 軽い薬物療法で十分な効果が期待できる
  • 脳梗塞や心筋梗塞の予防が可能

症状が出てから(進行した段階)では

  • すでに血管の狭窄が高度になっている
  • 手術が必要になる場合がある
  • 脳梗塞などの後遺症が残る可能性がある

この違いは、検査で明確に確認できます。

頚動脈とは?なぜ重要なのか

頚動脈とは、心臓から脳に血液を送る太い血管で、首の左右に1本ずつあります。ここにコレステロールなどの脂肪がたまって血流が悪くなると、脳に酸素や栄養が届きにくくなったり、血のかたまり(血栓)ができて脳梗塞を引き起こしたりすることがあります。

早期発見のメリット

頚動脈の検査で動脈硬化を早期に発見できれば

  1. 進行を食い止められる:生活習慣の改善により、これ以上の悪化を防ぐことができます
  2. 適切な治療選択:軽度の段階であれば、負担の少ない治療で管理できます
  3. 合併症の予防:脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気を未然に防げます
  4. 生活の質の維持:健康な日常生活を長く続けることができます

頚動脈エコー検査について

頚動脈エコーでは、首の血管にゼリーを塗って専用の機械(プローブ)を当てることで、血管の壁の厚みや詰まり具合を確認できます。

  • 検査時間:10〜15分程度
  • 準備:服を脱ぐ必要もなく、首元が開いていればそのまま検査可能
  • 利便性:忙しい方にも受けやすい検査
  • 視覚性:体の中の"変化"を視覚的に確認できる

頚動脈エコーで確認できる3つのポイント

1. 血管の厚み(IMT)

動脈の内壁の厚さを測定することで、動脈硬化の進行度をチェックします。IMT(内中膜複合体厚)の値が高い場合は、動脈硬化が進行していると考えられ、将来的な脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いとされます。

2. プラークの有無

脂肪やコレステロールなどの塊が血管の中にたまっていないかどうかを確認します。プラークが大きくなると、そこから血栓が飛んで脳の血管を詰まらせてしまうことがあります。

3. 血流の状態

血液がスムーズに流れているか、どこかで詰まっていないかを観察します。

なぜ症状がないのか

こうした変化は、日常生活ではまったく感じないことがほとんどです。ここに動脈硬化の最大の危険性があります。

血管は非常に適応能力が高く、血管の狭窄が50%以下の場合多くの方で症状は現れません。しかし、この無症状の期間に着実に病気は進行しているのです。

突然症状が現れる怖さ

血管の狭窄が高度になったり、血栓ができたりすると突然症状が現れます。脳梗塞の場合、手足の麻痺や言語障害など、日常生活に大きな影響を与える後遺症が残る可能性があります。

だからこそ、「何も症状がない今こそ」受けておくべき検査といえます。早期発見は、将来の重篤な病気を防ぐ最も確実な方法です。

 

 

検査をおすすめしたい方

以下のような方には特におすすめです

  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療中または指摘されたことがある方
  • タバコを吸っている、または過去に吸っていた方
  • ご家族に脳卒中や心臓病の病歴がある方
  • 40歳以上で、血液検査や健康診断の結果が気になる方

 

検査がもたらす早期発見の価値

活習慣改善への確実な道筋

実際の検査現場では、無症状の方がこの検査をきっかけに生活習慣を見直し、運動や食事内容を改善するケースが増えています。早期に気づくことができれば、薬に頼らずに健康を守ることも可能になります。

具体的な数値で示される改善効果

検査後の結果は、医師が画像を見ながら丁寧に説明します。「ここに少しプラークがありますね」「血管の厚みが少し気になります」など、具体的なフィードバックを受けることで、自分の体の状態を理解する手助けになります。

検査結果の説明と活用

頚動脈エコーは定期的に行うことで、変化を追っていくことができます。「半年前よりプラークが減った」「IMTの数値が改善している」といった経過を知ることは、健康維持のモチベーションにもなります。

予防医療の重要性

予防医療のポイントは、"早く気づいて、早く対策する"こと。頚動脈エコーは、まさにその第一歩として最適な検査です。
定期的な健康診断と組み合わせて、自分の"見えないリスク"を把握しておきましょう。

臨床検査技師からのメッセージ

「元気だから大丈夫」ではなく、「元気な今だからこそ、ちゃんと調べておく」。

動脈硬化は時間をかけてゆっくりと進行しますが、症状が出た時には既に手遅れになっている場合があります。 しかし、頚動脈エコー検査による早期発見があれば、この進行を食い止めることができるのです。

頚動脈エコー検査は、痛みもなく短時間で受けられる検査です。しかし、この短時間の検査が、あなたの将来の健康を大きく左右する可能性があります。

その小さな一歩が、将来の大きな安心につながります。 気になる症状がなくても、定期的なチェックで健康管理を行い、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気を未然に防いでいただければと思います。

早期発見、早期対策──これこそが、動脈硬化から身を守る最も確実な方法です。

 
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