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成長マインドセット

[2025.10.06]
 
今回の院内研修の特別企画は、院長によるテーマ「成長マインドセット」でした。吉田行宏氏著『成長マインドセット』をもとに、スタッフ全員で学びを深める時間を持ちました。
 
普段の診療や業務に追われていると、どうしても「目の前の仕事をこなすこと」が優先されがちですが、あらためて自分自身の成長や働き方を考えるきっかけとなる大切な研修でした。
 

アイスバーグの成長とは?

最初に紹介されたのが「アイスバーグの成長」という考え方です。成果という氷山の“見えている部分”だけでなく、その下に広がる“見えない部分”まで意識して育てることが真の成長につながる、という考え方です。
氷山の上に出ている成果はほんの一部に過ぎず、その下には行動や習慣、能力やスキル、さらに深い部分には意識や価値観、人生哲学といった土台が存在しています。
 
私たちは普段、成果や数字などの“目に見える部分”に一喜一憂しがちですが、それを支えているのは日々のふるまいや考え方です。ここに意識を向けて成長させることが、将来の大きな成果につながるという学びは、スタッフ全員にとって大きな気づきとなりました。
 

二つのブレーキ:成長を妨げるもの

続いて、成長を阻害する「二つのブレーキ」について学びました。

①悩みブレーキ

一つ目は「悩みブレーキ」です。人は選択をした後でも「あれで良かったのか」「別のやり方のほうが正しかったのでは」と悩み続けてしまうことがあります。これが長引くと、実際の行動力や集中力が削がれ、成長のスピードが落ちてしまいます。悩みは誰にでもあるものですが、期限を決めて切り替える、原因を自分に引き寄せて考える(原因自分論)、結果より行動に焦点を当てるといった工夫で、このブレーキは外せることを学びました。

②大きな子供ブレーキ

二つ目は「大きな子供ブレーキ」です。これは、大人になっても内面に残っている“子供っぽさ”が成長を妨げるというものです。自己中心的な考えや、プライドに縛られて素直に学べない態度、感情的な反応などがその典型です。
 
医療の現場でも、自分のこだわりや思い込みが、チームワークや患者さま対応に悪影響を与えてしまうことは少なくありません。このブレーキを外すには、まず「自分の中の子供」に気づくこと。そして他者を尊重し、素直に受け入れる姿勢を育て直すことが必要だと学びました。
 
成長にはブレーキを外すだけでなく、アクセルを踏むことも大切です。研修では「二つのアクセル」が紹介されました。

①自分理念・自分軸アクセル

第一のアクセルは「自分理念・自分軸」です。これは会社や組織が掲げる理念ではなく、自分自身の判断基準や価値観を明確にすることを意味します。自分にとって何が大切かがはっきりしていれば、迷ったときに立ち戻れる軸ができます。医療の現場でも、日々さまざまな判断が求められます。そんなとき、自分軸があればブレずに最善を尽くせると感じました。

②正しく強い動機アクセル

第二のアクセルは「正しく強い動機」です。行動を続けるためには動機の強さと質が重要です。自分のためだけでなく、患者さまや仲間のため、社会のためといった「他者に向けた動機」を持つことで、より力強い行動につながります。また、目に見える報酬だけでなく、感謝される喜びや自分の成長といった目に見えない報酬に目を向けることも大切だと学びました。
 

今後の仕事にどう生かすか

研修の最後には、一人ひとりが「学んだことをどう仕事に活かすか」を考えました。
・悩みを長引かせず、期限を決めて行動に移す
・自分のプライドや感情に振り回されない
・自分の軸を持ち、判断や行動を一貫させる
・患者さまや仲間のためという動機を大切にする
 
こうした意識を持つことで、スタッフ一人ひとりが成長し、その積み重ねがクリニック全体の成長につながるはずです。
 

まとめ

今回の研修は、目に見える成果だけを追うのではなく、その土台にある意識や価値観まで成長させることの大切さを学ぶ機会となりました。
 
成長の妨げとなる「二つのブレーキ」を外し、「二つのアクセル」で自分を加速させる。このシンプルで力強い考え方は、日々の診療や患者さま対応の中で生きてくると感じています。これからもスタッフ一人ひとりが成長し続け、患者さまに安心と信頼を届けられるクリニックを目指してまいります。
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