患者様の目線に立つことの重要性【第2回院内研修会】
12月18日に第2回院内研修会を行いました。今回のテーマは高齢者体験です。高齢者の方々が日常生活で抱える不安を、職員一人ひとりが実感し、より良い接遇を提供するために意識を高めることを目的としました。高齢者がどのような感覚で日常生活を送っているのか、実際に体験することができる貴重な機会となりました。この体験を通じて感じたこと、思ったことを綴っていきたいと思います。
高齢者体験の流れ・準備
クリニックに入るところから受付→診察→検査→会計という一連の流れを、高齢者役と院内スタッフ役に分かれて交代で行いました。高齢者役の人は以下のような器具を装着し、高齢者が日常生活で直面する身体的な制約を再現し、様々なシチュエーションを想定して体験を行いました。
・ゴーグルやアイマスク:視界を狭くしたり、ぼやけさせることで視力低下や視野狭窄、白内障を体験します。
・ヘッドフォン:耳を塞いで聴力の低下と音の聞こえづらさを体験します。
・膝・肘の拘束具:金属のプレートが入ったサポーターを身に着けることで関節の可動域を制限、不自由な状態を体験します。
・手足の重り:筋肉の衰え、力の入りにくさを体験します。
・バンドやプロテクター:常に前傾姿勢になるようにして高齢者の後湾症を体験します。
・杖:歩行時にバランスが取るため
・車いす:足の不自由な方のため
体験しての感想
体験を通じて、思っていた以上に多くの不安が日常生活に潜んでいることを実感しました。まず、ゴーグルをかけると視界がかなり狭まり、案内板の文字を読むことが難しく、大きな文字でないと読み取れませんでした。視野が狭まるため、かなり歩行が遅くなりました。壁やイスにぶつからないように杖を使って歩くスタッフもいました。次に、ヘッドフォンをして聴覚が低下した状態で会話を試みましたが、相手の言葉がうまく聞き取れず、意思疎通の難しさを感じました。大きな声でないと呼ばれていることにも気づきませんでした。さらに、肘・膝サポーターをつけて前傾姿勢で歩行すると、スピードが遅くなり移動が非常に疲れることを実感しました。車いすでの移動は乗っている側と押す側の双方に危険が潜んでいると感じました。押す側は段差や坂道ではバランスを崩さないように慎重に押さなければならず、ほんの少しの段差や坂でも転倒の危険があると感じました。また、単に力を使うだけでなく、乗っている側のペースに合わせて慎重に進むことが大切だと思いました。押す側がゆっくりだと思っていても、乗る側になったときは思った以上のスピードを感じました。また、乗っている側の時は坂道で後ろに体重がかかるときに不安を感じました。段差が多い場所では酔いを感じることもわかりました。
スタッフの皆、かなり慎重になりながら来院から会計までの流れを体験していました。普段何気なく行っている動作が、年齢を重ねるとどれほど大きなエネルギーを消耗するのか、身体的な負担を身をもって体験することができました。
患者様の目線に立つことの重要性
高齢者体験を通して、私たち医療従事者が常に患者様の目線に立って接遇を行うことの重要性を強く感じました。私たちが日常生活で何気なく行っている動作が、高齢者にとってはとても負担がかかることかもしれません。私たちがその状態に理解を示すことが、患者様との信頼関係とより良いコミュニケーションを築く上で欠かせない要素であると思いました。患者様の視点に立つことの重要性を再認識し、患者様が安心して受診できるよう、私たち医療従事者一人ひとりがその視点を常に意識して行動していくことで、より良い医療環境を作っていきたいと思います。(放射線技師.Y)
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