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急変時対応【第1回院内研修会】

[2024.11.25]

『急変時対応研修~スタッフ全員で学ぶ、命を守るための基本技術~』

先日、当クリニックで第一回院内研修会を開催し、「急変時対応」についてスタッフ全員で学ぶ機会を設けました。医療現場において、急変時の適切な対応は患者さんの命を左右する重要な要素です。そのため、スタッフ全員が共通認識を持ち、確実に動けるようにすることは、クリニック全体の医療の質と信頼性を高めるために欠かせません。今回の研修では、「人が倒れた際にどのように行動すべきか」をテーマに、気道確保、人工呼吸、心臓マッサージ、そしてAEDの使い方を中心に、実践的なトレーニングを行いました。以下に、研修内容の詳細をご紹介します。

■基本から学ぶ生命維持の技術

今回の研修では、急変時に必要な一連の行動をゼロから学ぶことを重視しました。特に重要視したのは、初期対応の重要性です。人が倒れているのを見つけた際には、状況を的確に判断し、適切に対応する必要があります。そのため、まずは意識の確認から始まり、声かけや呼吸の確認方法といった基本的な手順を確認しました。一見すると簡単そうに思える初期対応ですが、実際には見落としや慌ててしまうことが多い部分です。だからこそ、今回の研修では、医療用のトレーニング人形を活用し、スタッフ全員が一つひとつのステップを丁寧に確認しました。「シンプルな手順でも、実際にやってみると意識すべきポイントが多い」「声のかけ方や周囲の安全確認が重要だと再認識した」といった声が聞かれました。

■心臓マッサージの難しさと重要性

今回の研修で特に印象に残ったのが、心臓マッサージの実技です。倒れた人を発見した場合、心臓マッサージ(胸骨圧迫)は生命を維持するために欠かせない手段ですが、その実施には正しい技術と継続する体力が求められます。研修では、成人を想定した場合の具体的な基準について学びました。胸骨を約4~5センチメートル圧迫し、毎分100回のテンポを維持することが必要とされます。一見単純な動作の繰り返しに見えますが、実際にやってみると、その難しさを身をもって感じる内容でした。数分間の実習後、多くのスタッフが「正しい圧力を維持するのが難しい」「一定のリズムで続けるのは思った以上に体力を使う」といった感想を述べており、いざというときに継続的な対応を行うことの大変さが改めて浮き彫りとなりました。

また、心臓マッサージ中は他のスタッフとの役割分担や交代のタイミングも重要です。今回の実習では、チームとしての連携を意識しながら取り組むことで、心臓マッサージの持続可能性と効果的な進行を体験的に学びました。

■AED使用の実践トレーニング

心臓マッサージに続いて行われたのは、AED(自動体外式除細動器)の使用トレーニングです。AEDは、音声ガイダンスに従うだけで操作できるよう設計されていますが、緊急時に正確かつ冷静に対応するには事前の訓練が不可欠です。研修では、AEDの使い方を基礎から学び、特に以下のポイントについて詳しく確認しました。

  1. 電極パッドの貼付位置
    正しい位置にパッドを貼ることが、除細動の効果を最大化するために重要です。研修では具体的な貼付方法を人形を使って確認しました。

  2. 周囲の安全確認
    電気ショックを行う際には、周囲の安全を確保する必要があります。「ショックを実行します。離れてください」という声かけとともに、周りにいる人が触れていないことを確認する練習も行いました。

  3. AED操作中の心臓マッサージとの併用
    AEDの解析中やショックを実行するまでの間も心臓マッサージを継続する必要があります。そのため、AEDを使用するスタッフとマッサージを行うスタッフがスムーズに連携する訓練も行いました。

AEDの訓練を受けたことで、機器への理解が深まり、実際の使用場面での自信も高まったと感じた参加者が多くいました。

■チーム医療としての急変対応

今回の研修では、個々の技術だけでなく、チーム医療の視点も重要なテーマでした。急変時には、一人ですべての対応を行うことはほぼ不可能です。複数のスタッフが協力し、それぞれの役割を的確に果たすことが求められます。今回の研修では、声のかけ方や情報共有のタイミング、タスクの分担などを意識しながら、シミュレーション形式で対応を学びました。初めて急変時対応を体験するスタッフも多く、最初は戸惑いが見られましたが、院長の指導のもと真剣に取り組む姿が印象的でした。

研修後の振り返りでは、「全員で役割分担をすると、一人で対応するよりも安心感がある」「緊急時のコミュニケーションの重要性を改めて感じた」といった意見が多く聞かれました。

■地域への貢献を目指して

医療現場では、どんな状況にも対応できる力が求められます。この研修を通じて、スタッフ一同が少しでもスキルを高め、患者さんに安心感を提供できるよう努力を続けていきたいと感じました。

今後は、この学びを院内だけでなく、地域や家庭にも広げられるような活動を積極的に行っていきたいと考えています。

■今後の展望

第一回目となった今回の研修会は、スタッフ全員にとって貴重な学びの機会となりました。これを定期的な取り組みとして継続し、さらなるスキルアップを目指していく予定です。また、実際の急変時に備えて、様々なシナリオを想定したシミュレーション訓練も取り入れていきたいと考えています。

医療安全の確保は、日々の努力の積み重ねによって実現されます。今回の研修で得た知識と経験を糧に、より安全で質の高い医療サービスの提供に向けて、クリニック全体で取り組んでいきます。(技師長.T)

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