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【第6回】頭部CTの実態

[2026.03.26]

第6回のコラムでは頭部CT検査がどのような場面で行われるのか、MRIとの違い、そして実際のCT画像の見方について、初めてCT検査を受ける方や、画像の見方を詳しく知りたい方に向けてわかりやすく解説していきたいと思います。

頭部CT検査はどんなときに行うの?

頭部CT検査は、脳や頭の中の状態を短時間で確認できる検査です。そのため、

  • 激しい頭痛
  • 転倒や事故で頭をぶつけたとき

など緊急を要する症状の場合はCT検査が選択されることが多いです。

強い頭痛が突然起こったとき

今まで経験したことのないような強い頭痛が急に起こった場合、脳の中で出血が起きていないかなどを確認するため、CT検査を行う場合があります。

転倒や事故で頭をぶつけたとき

転んで頭を打ったり、交通事故などで頭部に衝撃を受けた場合、頭の骨に異常がないか、脳の中で出血が起きていないかを確認します。外から見て異常がなくても、頭の中で変化が起きている可能性があるため、脳の断面を撮ることができるCT検査は有用です。

CTとMRIの違いは?

MRIとCTの違いについては「MRIについて知ろう 第2回 MRIとCTの違いについて」をご覧ください。

これら2つの検査は、どちらが良い・悪いというものではなく、目的に応じて適した検査が選ばれています。

例えばCT検査は、頭の骨の骨折を見つけるのが得意ですが、MRIのように小さな脳梗塞を発見するのはあまり得意ではありません。

医師は、

  • 症状
  • 緊急性
  • 患者さんの状態

を総合的に判断し、必要な検査を選んでいます。

頭部のCT画像の見方を教えて

当院では患者様にわかりやすく説明できるように撮影した画像をモニターに映しながら検査結果の説明を行います。

初めてCT画像を見る方でもわかりやすいように見方のポイントをいくつか解説していきます。

① CT画像は輪切りにした写真

頭部CT画像は、頭部を薄く輪切りにした断面として表示されます。1枚だけを見ると分かりにくく感じるかもしれませんが、実際にはたくさんの断面画像を連続して確認することで、脳全体の状態を評価しています。

② 左右が逆?

CTで撮影された画像はすべて足側から見た画像です。つまり画面上では左に脳の右側、右に脳の左側が表示されます。

③ 見え方が変わる?

CT画像はコントラストを調整することでそれぞれの目的の部位に合った画像を表示することができます。

詳しくは「第3回 CT検査とは」をご覧ください。

頭部CTでは主に「脳の中身(脳実質)を見やすくした画像」と「骨(頭蓋骨等)を詳しく見るための画像」の二つが用いられます。

④ 画像の白黒の意味は?

CT画像は白黒の濃淡で表現します。X線を通しやすい部分は黒く、X線を通しにくい部分は白く写ります。頭部CTでは、主に次のように写ります。

骨(頭蓋骨)
脳の周りを囲んでいる頭蓋骨は、X線をほとんど通さないため、白くはっきりと写ります。コントラストを変えると骨の内部まで見やすくなります。

空気
鼻の奥にある空洞(副鼻腔)など、空気の部分は、X線が非常によく通るため、黒く写ります。

 

水(脳室内の脳脊髄液)
脳の中央付近には「脳室(のうしつ)」と呼ばれる空間があり、その中には脳脊髄液という水のような液体が入っています。水分はX線を通しやすいため、CT画像では黒に近い暗い色として写ります。

脳(脳実質)
脳そのものは、骨や空気、水ほど極端ではなく、白と黒の中間のさまざまな濃さの灰色として写ります。たとえば、脳の表面近くにある灰白質とその内側にある白質は、それぞれわずかに濃さが違います。

頭部CT検査で分かる病気

頭部CT検査で発見できる代表的な症例をいくつか紹介します。

脳出血

高血圧や脳血管奇形などが原因で脳の中に直接出血が起こる病態です。

CTは発症直後から出血を高吸収域として描出できるため、初期診断に有用です。

CT画像では、脳実質内に境界明瞭な高吸収域(白く映る部分)として描出されます。

硬膜下血腫

頭部外傷後に多く見られる出血で、特に高齢者や抗凝固薬を服用している方に注意が必要です。

脳を圧迫することで意識障害や片麻痺などの症状を引き起こすことがあり、早期発見・治療が重要です。

CT画像では、脳の表面と頭蓋骨の間(硬膜下腔:脳と頭蓋骨の間のすき間)に半月状の高吸収域(白く映る部分)として描出されます。

くも膜下出血

脳動脈瘤の破裂などにより突然発症する出血で、激しい頭痛を伴うのが特徴です。

緊急を要する病気であり、CTは初期診断に有用です。CT画像では脳の表面や脳室周囲のくも膜下腔に沿って高吸収域(白く映る部分)が描出され、特に脳底部やシルビウス裂(脳の表面にある大きな溝)などに沿って広がるように現れます。

頭蓋骨骨折

頭部に強い衝撃を受けた際に骨折を生じる可能性があります。

CT画像では頭蓋骨に線状の骨折線が描出されます。

骨折部に一致して皮下気腫や出血、脳挫傷を伴うこともあります。

まとめ

頭部CT検査は、脳や頭蓋骨の状態を迅速に評価できる重要な画像診断法であり、特に急性の頭痛や外傷時に有用です。

CT画像は白黒の濃淡で構成され、骨や空気、脳脊髄液、脳実質などがそれぞれ異なる濃さで表現されます。

当院では患者さまにもわかりやすく説明できるよう、モニターを用いた丁寧な説明が行われています。

本コラムが、頭部CT検査への理解を深め、不安の軽減や医療への信頼につながる一助となれば幸いです。

X線CT認定技師.Y

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