【第3回】CT検査とは
これまで第一回、第二回とCTで用いる放射線について解説してきました。
第三回からはいよいよCT検査の実態について解説していきたいと思います。
今回のコラムではCT検査の歴史から原理まで分かりやすく解説していきます。
CTってどんな検査?
CT検査は、短時間で体の内部を詳しく調べることができる検査で、痛みはなく、多くの方が受けられています。
CTとは “Computed Tomography”(コンピュータ断層撮影)の略で、
身体の内部を輪切りの画像として描き出す検査です。
同じX線を使うレントゲン検査と原理は似ていますが、大きな違いがあります。
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レントゲン:一方向からX線を当てる → 構造が重なって見える
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CT:360度あらゆる方向からX線を当てる → 断面情報を画像化できる
このためCTでは、臓器の形や異常の位置関係を立体的に把握しやすいという特徴があります。
撮影時間は数秒~数十秒程度と短く、
MRIと比べて装置が開放的なため、閉所が苦手な方でも受けやすい検査です。
CT装置の原理
CT装置はドーナツ状をしており、内部には
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X線を出す X線管
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X線を受け取る 検出器
が組み込まれています。
検査中は、患者さまが横になった寝台がドーナツの穴を通過し、その間に
X線管と検出器が高速で回転しながら、体の周囲から連続的にデータを集めます。
イメージとしては、ピッチャーが次々と投げるボール(X線)を、
キャッチャーが次々と受け取るような状態です。
集められたX線の情報はコンピュータで処理され、体の内部を詳しく映し出すCT画像として表示されます。
CT画像は白黒で表示され、
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X線が通り抜けやすい部分 → 黒く
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通り抜けにくい部分 → 白く
写ります。
たとえば
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空気を多く含む肺は黒く
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骨のように硬い部分は白く
表示されます。
CT装置の歴史
CT装置の歴史は1970年代に始まります。
それ以前の画像診断では、体内構造が重なって写るレントゲン写真が主流であり、内部を断面として直接観察することは困難でした。
この課題を解決するために開発されたのがCTです。
初期のCT装置は、
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1枚の画像を得るのに数分かかる
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主に頭部のみが対象
という制限がありました。
それでも、体内を断面として可視化できる技術は画期的であり、脳出血や脳腫瘍の診断精度を大きく向上させました。
その後、CTは改良を重ね、
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撮影時間の短縮
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画質の向上
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回転速度・検出器性能の進化
が進み、胸部や腹部など、動きの影響を受けやすい部位の撮影も可能になりました。
現在では、多列検出器CTが主流となり、
短時間で広範囲を高精細に撮影できるようになっています。
CT検査の特徴
①細部まで観察できる
前述の通り、CT検査は360°からX線を照射して連続して撮影を行うことで、体を薄くスライスしたような画像を得ることができます。
具体的には数ミリ単位の薄さの画像を撮影することができます。この細部まで細かく見えるという特徴が、CT検査の利点の一つです。
たとえば、
- 脳の小さな出血
- 肺の初期の炎症
- 微小な骨折
などは、CTによって見つかることがあります。
②目的部位に応じて見え方を調節できる
CT検査では、臓器や組織の特徴に合わせて、明るさやコントラスト(ウィンドウ)を調整し、必要な部分が見やすくなるようにすることができます。
以下の3つの画像は胸部のCT画像です。
これらはそれぞれ別に撮った画像ではなく、一度の検査で撮った画像を、コントラストを調整して目的の部位を見やすくしています。
左から「骨(肋骨や背骨)を見やすくした画像」・「肺の内部を見やすくした画像」・「心臓や大動脈を見やすくした画像」になります。
このようにコントラストを調整することで、見たい組織や臓器、そして目的の部位に応じた画像を得ることができます。
③撮影後に異なる断面の画像を作成することができる
CT検査のもう一つの大きな特徴は、「あとから見たい方向を自由に変えられる」ことです。
CT検査は撮影部位を非常に薄く、そして連続して撮影しているため、一度の検査で膨大な枚数のデータを得ることができます。このデータを用いて撮影後でも違う断面の画像を作成することができます。
断面例(胸部):
様々な向きの断面を自由に作成することにより、体の中の構造を多角的に理解できるようになります。
病変がどの位置にあるのか、周囲の組織とどのような関係にあるのかを、平面だけでなく、奥行きを含めて把握できます。
まとめ
CT装置は、開発されてから現在に至るまで、撮影時間が短くなったり、より高精細な画像が得られるようになったりと、目覚ましい発展を続けてきました。
その結果、CT検査は現代医療において欠かせない検査として、さまざまな場面で活用されています。
次回のコラムではCT検査の流れから注意事項まで詳しく解説していきたいと思います。
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