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頭部外傷(頭部打撲・頭のキズ・脳震盪)

頭部外傷とは

何らかの外力が加わって頭部の軟部組織(皮膚、皮膚組織)、頭蓋骨、脳内に損傷がおこることを頭部外傷と言います。

 

軽いたんこぶで済むものから、頭蓋内に命に係わる出血を来すものまで、加わった外力の程度 により病態や予後は大きく変わります。

 

通常は、加わった外力が大きければ大きいほど、損傷の程度も大きくなりますが、「軽い打撲」と思い込み、頭部外傷直後は「見た目には何も障害がないように」見えても、実は脳損傷を負っている場合や、時間が経って重大な脳損傷を来すことがありますので注意が必要です。

 

頭をぶつけてしまったときに

・どういう症状に気を付けたらよいのか

・どれぐらいの期間注意しておけばよいか

・どのような時に病院を受診するべきかどうか

・スポーツはいつから再開したらよいのか

・頭の傷をどのように処置したらよいのか

など心配になることがあると思います。特に自分の症状をうまく言葉で表現できない小さなお子様や認知症を患っているご高齢の方などの場合には、ご家族や付き添われている方の心配は強くなってしまいます。頭部外傷時の注意点について解説します。

頭部打撲

頭部打撲時に注意すべき点

歩き始めの小さいお子さんは相対的に頭が重たいこともありよく頭をぶつけてしまいます。小さなお子さんに限りませんが頭をぶつけてしまったときには以下の点に注意してください。

  • どのように、どれぐらいの強さで頭をぶつけたか 
  • 意識を失っている時間がなかったか(すぐに泣いたか)
  • けいれんなどはなかったか
  • 気持ち悪さや嘔吐がないか
  • 大きなたんこぶができていないか
  • 打撲後の受け答えや反応など普段と違うことがないか

 

1)受傷機転

 どれぐらいの強さで頭をぶつけたかは頭の中で出血や頭蓋骨の骨折、そして脳に傷がつく(脳損傷)を予測するうえで大切な情報です。交通事故や高所からの転落(2歳未満の場合は90㎝以上、2歳以上の場合は150㎝以上からの転落)など自分の持つ以上の力が加わった場合には注意が必要です。公園遊具やスポーツで遠心力がかかった状態や不意打ちで身構えることが出来なかった状態での頭部打撲も注意が必要です。

 

2)意識消失

次に頭をぶつけた際に意識がなくなったり、おかしな言動がないかという点も頭の中で何か起こっているかどうかを判断する上で大切なポイントです。小さなお子様の場合にはすぐに泣いたかどうか、アイコンタクトができて表情やしぐさが普段通りかどうかという点で判断します。意識を失っているもしくは朦朧(もうろう)としている時間帯があったり、普段の様子をご存じの保護者の方からみて、普段と様子が違うところがある場合にはやはり受診されることをお勧めします。

 

3)痙攣

頭部打撲後に痙攣があった場合も頭の中で異常が起こっている可能性を疑う症状の一つです。年齢を問わずですが嘔吐に加えて痙攣などが見られた際には救急車で病院に行くことも考慮してください。お子さんの場合には頭の中で何もなくても、強く脳が揺れることで痙攣してしまうことがありますがいずれにしても受診することをお勧めします。

 

4)吐き気や嘔吐

気持ち悪さの訴えや嘔吐は、頭の中での出血などによって頭の中の圧が上がった時に出てくる症状の一つです。乳幼児の場合には母乳やミルクの飲みが悪くなることもサインの一つですのでその際には受診をお勧めします。また小さなお子さんの場合には頭の中で何も起こっていなくても、頭部打撲後に嘔吐しやすくなってしまうことがあります(ケトン代謝周期性嘔吐症)。診察にて問題ないことが確認する必要がありますが、受診後も吐き気や嘔吐が続く場合には糖分補給をすることで吐き気が治る場合がありますので試してみてください。この時柑橘系のジュースなどを摂取すると吐き気がより強くなってしまうことがあると言われていますのでスポーツドリンクなどが良いと考えられます。

 

5)たんこぶ

頭をぶつけた時にできる“たんこぶ”はぶつけた場所が膨らんでくる状態を指す言葉で、医学的には皮下出血と皮下腫脹、頭血腫などが含まれています。皮下出血とは皮膚の下で出血することで、しばらくすると皮膚が青紫色に変わってきます。皮下腫脹とは皮膚が腫れてしまうことで多くの場合は皮下出血を同時に伴います。頭血腫とは主に新生児や乳児の頭蓋骨が折れてしまった際、頭の骨とそれを包む骨膜の間に血が溜まっていく状態です。いずれにしても大きなたんこぶが出来ている時は、外力が強かったことを意味するため受診することをお勧めします。またたんこぶが小さい、もしくはなかったとしても、遠心力が加わって強く脳が揺れた場合などには頭の中で出血する場合もあります。必ずしも「たんこぶがないから大丈夫」という訳ではありませんので、受傷した状況やその後の症状次第では受診をご検討ください。

 

6)意識障害・変容 (受け答えや反応など普段と違うことがないか)

頭部打撲後に意識消失がなかったとしても辻褄の合わないことを言ったり、同じことを何度も繰り返し聞く、不安感が強くなり落ち着きがなくなるなどといった症状が見られることがあります。頭部打撲後3時間程度はこのような意識状態の変動がないかを繰り返し見ておく必要があり、もしこのような変化が見られた場合には受診するようにしましょう。

 

どれぐらい様子を見たら良いのか

上に解説した症状についてどれぐらい様子を見ておけば良いか。打撲をしてから頭の中で出血するのはほとんどが3時間以内であることが知られています。血液をサラサラにするお薬(表1)などを飲んでいる場合は3時間以降も出血が続く場合がありますので6時間は経過観察をすることをお勧めしています。また小さなお子さんやご高齢の方の場合には訴えが正確でない場合がありますので念のため24時間は変わりないかどうか様子を見ていただくと確実です。

 

お子さんのCTを取るべきかどうか

最近の研究で、お子さんの頭部打撲時にCTを取る必要のないケースに関する新しい指標が示されました。この研究では18歳以下の小児42000例を検討し、以下に示す項目に当てはまった場合には、結果的に頭の中で心配なことがなくCT検査が不要であることを2歳未満の小児では100%、2歳以上の小児では99.95%正しく予測しました。

2歳未満の小児で臨床上重大な頭部外傷が見られない例の特徴

  • 精神状態が正常
  • 前頭部以外の頭皮に血腫(腫脹)がない
  • 意識消失はないかあっても5秒未満
  • 傷害の機序が重度でない
  • 触診で髄外骨折を触知しない
  • 保護者が子の行動は正常と見ている

2歳以上の小児における予測基準

  • 精神状態が正常
  • 意識消失がない
  • 嘔吐がない
  • 損傷の機序が重度ではない
  • 頭蓋底骨折の徴候はない
  • 重度の頭痛がない

言い換えると、上の項目が一つでもあればCTを撮影することを検討しても良いと考えることもできます。CTは放射線を使用する検査ですので被ばくの問題も心配されることと思います。別のページで被ばくについて解説していますのでそちらも参照ください。どのような医療行為もそうですが、CT検査をするメリットが被曝によるデメリットを上回る場合、つまり医学的に必要な時には躊躇せず検査することをお勧めします。

 

以下現在準備中です。

お子さんの頭部打撲後に持続する吐き気、嘔吐について(現在準備中)

打撲した時にどれぐらい冷やすべきか(現在準備中)

 

頭蓋骨骨折(現在準備中)

頭の傷(現在準備中)

・出血に対する対応

・傷の処置

脳震盪(現在準備中)

・定義

・スポーツ競技への復帰について

 

 

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