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レビー小体型認知症(DLB)

レビー小体型認知症(DLB)とは

レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症に次いで多い認知症で、全認知症の約10~20%を占める神経変性疾患です。
この疾患は、脳内にレビー小体と呼ばれる異常なタンパク質(主にα-シヌクレイン)の蓄積によって引き起こされ、認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状が三大特徴です。
発症は70~80歳代に多く、男性に2倍多く、生真面目で勤勉な性格の人に多い傾向があります。

早期発見と適切な治療により症状の進行を遅らせることができるため、この疾患への理解を深めることは患者さまとその家族さまにとって極めて重要です。

 

原因・発症の仕組み

レビー小体型認知症は、脳の神経細胞に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質(αシヌクレイン)が蓄積することで発症します。
レビー小体は脳幹から大脳皮質へ広がり、認知機能の低下やパーキンソン症状、幻視、自律神経障害など多彩な症状を引き起こします。

また、レビー小体型認知症ではアセチルコリンやドパミンなどの神経伝達物質の減少も認められ、これが症状の発現に関与しています。 

大半は孤発例ですが、まれに遺伝子変異(αシヌクレイン遺伝子など)が関与する場合もあります。

リスク要因は高齢男性ストレス頭部外傷うつ病歴などが挙げられます。

 

主な症状と経過

認知機能の変動

認知力や注意力が日や時間によって大きく変わります。「午前はしっかり、午後はぼんやり」など変動が特徴的です。

幻視

はっきりした内容(人や動物、虫など)の幻視が繰り返し現れます。本人には現実に見えていることが多いです。

パーキンソン症状

動作が遅い(寡動)、筋肉のこわばり、歩行障害、転倒しやすいなど。手足の震えよりも動きの遅さやこわばりが目立ちます。

レム睡眠行動障害(RBD)

寝ている間に大声で叫ぶ・暴れるなど、夢の中の行動をそのまま体が動かす症状が見られます。発症の数年前から現れる場合も多いです。

自律神経障害

立ちくらみ(起立性低血圧)、便秘、排尿障害、発汗異常など全身のバランスを保つ自律神経の障害も多いです。

抗精神病薬への過敏性

精神症状に対する薬剤が非常に効きすぎてしまい、強い副作用が出やすいので注意が必要です。

これらの症状は、患者さんによって現れ方や程度が異なります。

 

診断と検査

診断は2017年改訂の国際診断基準に基づき、中核的特徴やバイオマーカー、画像検査などを組み合わせて行います。

中核的特徴

  • 認知機能の大きな変動
  • 繰り返し出現する幻視
  • 自然発症のパーキンソン症状
  • レム睡眠行動障害(RBD)

バイオマーカー・画像検査

  • MIBG心筋シンチグラフィ(心臓の交感神経機能低下)
  • 脳SPECTやPET(後頭葉の血流低下)
  • 睡眠ポリグラフ検査(REM睡眠時の筋活動異常)
  • MRI/CT(脳萎縮や他疾患との鑑別)

これらの情報を総合的に評価し、DLBの診断が行われます。(ねりま脳神経外科ではMRI/CT検査以外を行っていませんので必要な場合には、検査を行なっている施設をご紹介致します)

他の認知症との違い

項目 アルツハイマー型認知症 レビー小体型認知症
年齢 75歳以上に多い 70~80歳代
性別 女性に多い 男性にやや多い
経過 ゆっくり単調に進行 日ごと・時間ごとの変動が大きい
病識 ほとんどない 初期はあることも多い
初発症状 もの忘れ(記憶障害) 幻視、注意力低下、動作の遅れ、歩行障害
パーキンソン症状 後期にまれに出現 初期から顕著
幻視 約20%、進行後 約80%、早期から繰り返し現れる
認知症の性質 全体的な能力低下 部分的な障害、注意や空間認知の障害が目立つ
薬剤過敏性 特に目立たない 抗精神病薬への強い過敏性

 

治療と予防

レビー小体型認知症には根本治療法はありませんが、症状の進行抑制と生活の質の維持が治療の目標です。

薬物療法

  • コリンエステラーゼ阻害薬:ドネペジルやリバスチグミンなどが認知機能の改善や幻視の軽減に効果があります。
  • 抗パーキンソン薬:レボドパなどが運動症状の改善に用いられますが、幻視や妄想の悪化に注意が必要です。
  • 抗精神病薬:必要最小限の使用が推奨され、クエチアピンなどの非定型抗精神病薬が選択されることがあります。

非薬物療法・生活支援

  • リハビリテーション:運動療法や認知機能訓練が症状の進行を遅らせる効果があります。
  • 生活環境の整備:安全な居住環境の確保や日常生活のサポートが重要です。
  • 家族や介護者への支援:病気への理解を深め、適切な対応ができるよう支援します。

治療は個々の症状や進行度に応じて調整されます。

 

予防について

明確な予防法は確立されていませんが、以下の点が早期発見や進行の遅延に役立つとされています:

  • 生活習慣の改善:バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、節酒などを心がけましょう。
  • 基礎疾患の管理:高血圧、糖尿病、脂質異常症などの治療を継続し、定期的な健康チェックを受けましょう。
  • 初期症状の認識:幻視や注意力の変動、パーキンソン症状などが現れた場合は、早めに専門医を受診しましょう。

 

まとめ・受診のポイント

「認知機能の大きな変動」「繰り返しの幻視」「歩行障害や動作の遅れ」などが気になる場合は、早めに専門医へご相談ください。

 

文責:井上剛(日本認知症学会 東京都認知症サポート医)

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