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てんかん

てんかんは珍しい病気ではありません

てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気的興奮を起こすことで、発作をくり返す慢性の脳の病気です。

日本には約100万人の患者さんがいると推定され、これは決して珍しい病気ではありません。

発作の現れ方は人によって異なります。たとえば、

  • 突然意識を失って倒れる

  • 全身がけいれんする

  • 一瞬意識がとぶ

  • 手足がピクピクと勝手に動く

  • ぼんやりして反応がなくなる

など、非常に多様です。

とくに高齢者では「けいれんを伴わない発作(非けいれん性発作)」が多く、周囲が気づかずに見逃されてしまうこともあります。

てんかんの発症傾向と患者数

てんかんはすべての年齢層で発症しますが、特に乳幼児期と高齢期に多くみられます。

  • 👶 乳幼児期:先天性の脳形成異常、代謝異常、遺伝的要因が主な原因

  • 👴 高齢期(特に80歳以上):脳卒中の後遺症、外傷、腫瘍、アルツハイマー型認知症などが背景となる

とくに高齢者てんかんは増加しており、65歳以上の患者数は約30万人と推定されています。

日本では毎年およそ8万6,000人が新たに発症し、人口の0.5〜1%がてんかんを有していると考えられています。世界ではおよそ5,000万人以上がてんかんを抱えています。

年代別の発症傾向

年齢層

傾向

👶 乳幼児

先天性の脳形成異常、代謝異常、遺伝的要因などが多い

🧒 学童~青年期

素因性(体質的・遺伝的)てんかんが中心

👴 高齢者

脳卒中、外傷、腫瘍、アルツハイマー病などの後遺症による構造的てんかんが多い

 

てんかんの原因はさまざまです

てんかんは、一人ひとり原因が異なります。
国際抗てんかん連盟(ILAE)が定めた分類(2017年)では、てんかんの原因は以下の6つに分けられます。

📘てんかんの6つの主な原因分類(ILAE 2017)

🧩 ※下記の病因は重複する場合もあります。

病因分類

内容

備考

構造的

脳の構造に異常がある場合(先天的な脳形成異常、脳卒中・外傷・腫瘍・感染の後遺症など)

旧分類:症候性てんかん(病変あり)

感染性

髄膜炎、脳炎、脳症などの感染症が原因で発症

構造的異常を伴うこともある

免疫性

自己免疫による脳炎など(例:抗NMDA受容体脳炎)により発作が起きる

精神症状や自律神経症状を併発

代謝性

先天的な代謝異常(例:ライソゾーム病、ガラクトース血症)など

乳幼児期に多い

素因性

遺伝的な体質によるてんかん

旧分類:特発性てんかん(病変なし)

病因不明

明らかな原因がわからないが発作を繰り返すもの

約6割を占めるとされている

複数の病因が重なっていることもあり、診断時には画像検査(MRI)を含めた病因の特定が重要です。

 

発作のタイプと症状

てんかん発作は、大きく3つに分けられます。

🧠発作のタイプと主な症状

タイプ 症状例
けいれん発作 全身の硬直、ガクガクしたけいれん、意識消失
非けいれん発作 ぼーっとする、反応がなくなる、一時的な意識の途切れ
部分発作 手や足の一部がピクピク動く、意識は保たれていることも

発作は数秒~数分で治まることも多く、ご本人が自覚していない場合もあります。ご家族や周囲の方の観察がとても重要です。

 

診断方法

当院では、まず詳しい問診を行い、発作の様子・頻度・誘因・持続時間などを詳しくお聞きします。
そのうえで、以下の検査を行います:

  • 神経学的診察

  • MRI検査:脳腫瘍・海馬硬化・脳出血などの確認

  • 血液検査:低血糖、電解質異常、肝腎機能、感染・炎症反応などの確認

※脳波検査については、必要に応じて専門医療機関をご紹介します。

病因を早期に明らかにすることで、より適切な治療につながります。

 

治療の基本は薬物療法です

てんかん治療の第一選択は、抗てんかん薬(AED)による薬物治療です。

代表的な薬には以下のようなものがあります。

  • バルプロ酸

  • レベチラセタム

  • ラモトリギン

  • カルバマゼピン など

多くの方は1種類の薬から始めて効果を見ていきます
約7割の方が薬物療法で発作をコントロールできるとされ、日常生活を問題なく送ることが可能です。

 

薬でコントロールできない場合(難治性てんかん)

外科手術(焦点切除)

  • 迷走神経刺激療法(VNS)

  • ケトジェニック・ダイエット

  • 脳深部刺激療法(DBS)

  • mTOR阻害薬(特定の遺伝性てんかんに対して)

患者さまの状態に応じて、最適な治療法を選びます。

 

てんかんの予後と再発率

てんかんは、適切な治療によって約70%の方が5年以内に発作をコントロールできるとされています。多くの方が、薬で日常生活に支障のないレベルまで改善することが可能です。

初回発作後の再発率は、

  • 1年以内:約36〜37%

  • 2年以内:約43〜45%

  • 全体:約51%

再発は発症から半年以内が最も多く、その後は少しずつリスクが下がります。
大切なのは、早期の診断と治療を継続すること。てんかんは、コントロール可能な病気です

 

てんかんと生活への影響

てんかんは、発作を繰り返す可能性がある病気ですが、適切な治療によりふだん通りの生活を送ることは十分に可能です。
ただし、発作が突然起こることで、日常生活の中にいくつかのリスクや制限が生じることもあります。

発作による危険

発作中は自分の意思で動けなくなるため、思わぬ事故につながることがあります。特に以下のような場面には注意が必要です。

  • 転倒によるけが

  • 調理中のやけど

  • 入浴中の溺水

  • 運転中の事故 など

発作の兆候がない場合は本人も気づけず、周囲も対応が遅れてしまうことがあります。

運転や仕事の制限

発作が起きている間は、自動車の運転が法律で制限されます。運転を再開するには、一定期間(通常は2年)発作がないことが条件です。また、高所での作業や重機の操作など、職種によっては就業が制限される場合があります。

死亡リスクについて

てんかんそのもので亡くなることはまれですが、統計的には一般の方と比べて2~3倍の死亡率が報告されています。
その主な理由は次のとおりです。

  • 発作中の事故(転倒・溺水など)

  • SUDEP(突然死:てんかんによる予期せぬ死亡)

  • 発作の背景にある重い病気(脳腫瘍・脳卒中など)

特に高齢の方や、発作が頻繁に起こる方ではリスクが高まるため、早めの診断と治療の継続が大切です。

社会的な誤解や偏見

てんかんに対する理解は少しずつ広がっていますが、今も「怖い病気」といった誤解や偏見が残っているのも事実です。
そのため、学校や職場での配慮が得られにくかったり、病気を周囲に伝えづらかったりすることがあります。

生活上の工夫で安心を

てんかんの発作には生活習慣が関係していることもあります。発作の誘因として知られているのは以下のような要因です。

  • 睡眠不足

  • 強いストレス

  • 飲酒や脱水

  • 過労・疲労の蓄積

これらを避け、生活リズムを整えることが、発作を防ぐための第一歩です。
また、一人での入浴や火を使う調理はできるだけ避ける、またはご家族と協力して安全対策を考えていくことも大切です。

 

ねりま脳神経外科でのてんかん診療

ねりま脳神経外科では、てんかんの診断・治療・フォローアップまで、継続的にサポートを行っています。
お子さまからご高齢の方まで、幅広い年代の患者さまに対応しています。

当院で可能な検査・対応

  • MRI検査:脳の構造的異常の有無を確認

  • 血液検査・心電図:基礎疾患や誘因のチェック

  • 脳波検査:必要に応じて、専門医療機関と連携して実施

※このような症状がある方はご相談ください

  • 突然意識を失って倒れたことがある

  • 一時的に反応がなくなり、ぼんやりしていたと指摘された

  • 手足が勝手に動いたり、同じ動作を繰り返したことがある

  • 家族や周囲の方に「発作のような様子だった」と言われたことがある

てんかんは、早期の診断と適切な治療によって生活の質が大きく向上する病気です。
ご本人はもちろん、ご家族の「もしかして…」という気づきが大切です。
心配な症状がある方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。丁寧にお話を伺い、一人ひとりに合わせた診療をご提案いたします。

 

 

 

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